2009年10月20日火曜日

建築家:キャサリン・フィンドレイ(Kathryn Findlay)さん・・(展覧会開催に至る10の試練)

 機械帝国の次の展覧会の企画を進めて行く中、RPGのドラゴンクエストのように、ひたすらいろいろな方に会いに行く事を続けていました。

 その頃、美術のイベントやパーティーがあると必ず出会ってしまう、ジョニー・ウォーカーさんという方がいて、初めは何をしている人かまったく謎の人でしたが、彼の飼っている犬の話題で知り合いになり、その後、彼の主催するパーティーのお知らせが、頻繁にファクシミリで届くようになりました。

 ジョニーさんの住まいでは、彼の気に入った作家の展示とパーティーを定期的に行っていて、月に一度ぐらい出かけて行くと、その度に国内外の何人かの美術関係者、アーティストの方たちを紹介いただくことがあり、そのパーティーの席で、大変日本語が堪能で印象的な、キャサリン・フィンドレイさんとお話する機会があって、彼女は佐賀町エキジビット・スペースで展覧会を開く事を聞きました。

 その展覧会は、キャサリン・フィンドレイさんと牛田英作さんの共同制作の展示で、お二人とも建築家をなさっており、会場のメインの作品は、とても柔らかな曲面で構成されたインスタレーションでした。
 その曲線や思想をそのまま生かし設計した家が、その頃テレビの番組で放映され、私もそれを見て知っていて、とても生命力に富んだ有機的なたたずまいで、一般的な家屋の概念とはまったく違うスタイルの建築だった印象があります。
(キャサリン・フィンドレイさんの作品は、検索するとネットで、たくさん見る事ができます。)

 展覧会の後に、キャサリン・フィンドレイさんと牛田英作さんの事務所にお伺いして、作品や展覧会の反響などをお聞きし、そして、私たちの作品や展覧会の企画について、感想・言葉をいただきました。



TO WHOM IT MAY CONCERN
MASATO YOSHIDA AND TOMOKO ITO


It would be a great mistake to understand the work of Masato Yoshida and Tomoko Ito by only looking at the objects they make. Their's is a world of rich humanity and embodied in those beautiful machines. They plan to make 100 robots which have the same number of feelings displaying the infinite senses of man. Something shines from their work which is pure and delicate and should be an inspiration to those who would be cynical about the future of man in the hands of machines, it is not cool but kind, not inhuman but altruistic:thy see way beyond pure mechanics into the heart of future robots. I recommend that their work receive support because it is original in the best sense.
Kathryn Findlay (Architect)


吉田正人 と いとうともこ に関心がある方々に

 吉田正人といとうともこの制作するオブジェを、表面的に見て作品を理解しようとすると、大変な思い違いをしてしまう。彼らの作り出す世界は、人間性豊かで、そしてそれらは、美しい機械の中に具体的に表明されている。
 彼らは、100のロボットを作る計画をしている。100のロボットは、誰もがいくつかは同じように持っている感情、情緒を、人間の持つ無限の気持ち、感覚を表そうとしている。彼らの作品からは純粋で繊細な光が放たれている。
 将来、機械ばかりになり、人間が機械にコントロールされてしまうのではないかと心配したり、シニカルになっている人々に、彼らは、違う希望のある世界を見せている。それは、冷たくなく、親切で優しく、とても人間的で思いやりにあふれ、作品を見ている人を暗いイメージにさせず、気持ちをマイナスではなく、プラスの方へ向かわせる。ただの機械のメカニックを作ることではなく、未来のロボットの心の中に、彼らは、はるか遠くを見ている。
 独創的な考え方、美意識であるという理由で私は、彼らの作品が援助を受けるべきだと推薦します。
キャサリン フィンドレイ (建築家)
1996年10月11日 ※翻訳=キャサリン・フィンドレイさん

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